複数の製薬会社で製品開発、学術教育、お薬相談窓口を担当して、長年の間、現代医療に携わってまいりました。しかし、現代の主流になっている西洋医学だけではなく、東洋医学の代表である漢方も上手に取り入れて身体の不調を改善していくことがこれからの医療に必要と考え、日本の中医学普及に造詣の深い、漢方専門「東西薬局」の猪越英明先生のもとで中医学の研鑽をさせていただき、この度、独立開局いたしました。
漢方のもつすばらしい力で、「いつまでも元気で楽しく生きる」ことを実感頂くために、論理的な知識や説明だけではなく、患者様の気持ちに寄り添った親身の漢方相談を行っていきます。
資 格
・漢方薬剤師*1(日本薬剤師会認定)
・国際中医師(A級ライセンス)*2(世界中医薬学会連合会認定)
・国際中医薬膳管理師*3(世界中医薬学会連合会認定)
・(財)ヘルスケア社会医療研究所(旧 東京薬科大学附属ヘルスケア研究所)評議員
*1
漢方薬・生薬に関する専門知識を修得し、薬剤師会が能力と適性を備えていることが認定された薬剤師です。
*2
西洋医学の「西洋医師」とは別に中国には国家資格として、中医学(漢方)の医師の資格があり「中医師」と呼んでいます。国際中医師は、中国政府の外郭団体「世界中医薬学会連合会」が「中医師相当の知識を有する中医学の専門家」として認定した世界規模の国際資格で、中国政府はA級ライセンスを中医師水準としています。
*3
国際中医薬膳管理師は、中医学最高権威の学術団体である世界中医薬学会連合会(中国)が認定する最高レベルの薬膳スペシャリストです。
何百種類もある植物を中心とした自然のエネルギーが凝縮されている「生薬」で構成されている漢方薬は、数千年におよぶ長い歴史の中で研究されてきました。
それぞれの特長をもつ生薬がバランスよく配合された漢方薬は、人間が本来持っている自然治癒力を高めて、生きる力を引き出してくれます。
なんとなく不調、元気がでないなどといった症状は、発病する前の身体のサインです。様々な不調症状に対し、その症状を引き起こしている原因は何かを究明して、それに対し治療を行っていく「治病求本」ができる中医学(漢方)は、治療になる前の対処法が沢山あることが最大の魅力です。
抗生物質やステロイド剤などに代表される西洋医学の発展により、数多くの病気が克服され、今や男性は80.2歳、女性86.6歳に平均寿命が伸びましたが、その一方で、自立して健康に生活できる「健康寿命」は、男性71歳、女性74歳で、9~12年は不健康な生活を送る期間が続いています。
健康寿命を延ばす一番の対策は未病予防です。
「未病」とは、およそ2,000年前に編集された中国最古の医学書、「黄帝内経」の中において、はじめて登場した言葉で、「半健康で、病気が進行しつつある状態」をさしています。
「日本未病システム学会」の定義では、「自覚症状はないが、検査で異常がある状態」および「自覚症状はあるが、検査では異常がない状態」の二つをあわせて「未病」とし、前者を「西洋型未病」、後者を「東洋型未病」に分類されます。
漢方薬は体がもともと持っている治癒力・自己回復力を高めることから、特に東洋型未病に効果を発揮します。
中医学には「同病異治」という言葉がありますが、同じ病気であっても、その時の身体の状態、体質によって全く違う漢方薬が選択されます。
例えば風邪をひいてしまった場合、頭が痛いと鎮痛剤、咳が出ていれば鎮咳薬、鼻水や鼻づまりなどの鼻炎症状があれば抗ヒスタミン剤などの薬が処方されますが、中医学では暑がりなのか寒がりなのか、便秘の有無、体のだるさはどうか、胃腸の状態や睡眠の具合などを総合的にみて、何百種類の漢方薬の中から一番適した漢方薬を選びます。つまり同じ「風邪」という症状に対して、人によって様々な違う漢方で治すことを「同病異治」と言います。
また逆に、表面上は全く違う症状の病気であっても原因が同じであれば、同じ治療方法をとるという「異病同治」もあります。
たとえば、片頭痛がおこる原因の一つにストレスによって肝の機能が停滞する「肝陽頭痛」という病証があリます。頭痛だけではなくめまいや耳鳴り、目の痛みや充血などの症状も起こる場合は、「肝陽頭痛」に効果的な漢方薬を選択することによって、めまいや目の不調も同時に軽減することができます。
「肝陽頭痛」ならそれを改善する体質に合った漢方薬の選択により、めまいや目の不調も一度に治せてしまうのが「異病同治」です。
漢方薬は体質改善によって(一時的ではなく)根本的に症状を治していくことができますが、他にも感じていた身体の不調も改善できるのが、漢方薬のもう一つの大きな特長です。